2024/11/27 09:28
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2007/04/26 09:05
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久しぶりに相方に会った。相方は驚く程の頑張り屋だ。 俺が仕事をテキトーにこなしている横で、相方はいつも全力投球だ。 そんな相方だから、上の人間からも可愛がられる。ピンでの仕事もジャンジャン入ってくる。 フットサルだのスキューバダイビングだのバンジージャンプだの、休む暇も無いくらいに次から次へと、顔色が悪くなるまで働いている。 俺はと言えば、相方が一人で仕事をしている間は完全にオフだ。 パチンコに出かけたり、朝からずっと飲んでたり。 時々そんなだらけきった自分を客観視してしまい、ひどい自己嫌悪に陥る。 そしてその自己嫌悪から逃れるために、全てを頑張り過ぎの相方のせいにする。昨日もそんな一日だった。 だから今は、正直言って顔を合わせたくなかった。 「今日も頑張ろうな」 にこやかにそう言う相方と、なるべく目を合わせないようにしてスタジオに入る。 「俺の場合は『今日も』じゃねえんだよ・・・」 酒が抜け切っていない俺は、案の定ミスを連発した。台詞を噛み、段取りを忘れ、出演者の名前まで間違えた。 赤い顔で目をクルクルさせながらミスを繰り返す自分の姿は、惨め過ぎて逆に笑えるほどだった。 収録後、ディレクターに散々嫌味を言われて楽屋に帰ると、相方に思い切り頬を引っ叩かれた。 当然の仕打ちだと思った。いっそ死ぬまでぶん殴って欲しかった。 「俺もうこの仕事辞めるわ」 言い終わらないうちに二発目が飛んで来た。 「俺にはもう・・・」 「ポンキッキは!! お前がいてくれるから面白いんだ!!だから・・・だから・・・!」 相方は泣いていた。泣きながらもう一度俺の頬を張った。 泣くようなことかよ。クズが一匹、お前の前から姿を消すだけだろ。 そんな台詞を思い浮かべながらも、俺は心底嬉しかった。 俺は足手まといでしかないと思っていた。 とっくに見放され、軽蔑されているものと思っていた。なのに・・・。 「目ぇ・・・覚めたわ・・・」 相方の顔がぱぁっと明るくなる。 その顔を見て俺は頷き、大きく息を吸い込んだ。 「がんばりますぞー!!」 心の中の闇が完全に晴れた、そんな気がした。 PR |
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